457ビザ – 2017年7月1日付改定

Publication July 2017

457ビザプログラムの廃止及び2018年3月までの大幅改正案に係る2017年4月19日付の連邦政府による発表を受けて、457ビザプログラムの第二段階の改定が2017年7月1日に施行されました。

457ビザの申請は2018年3月まで引き続き提出可能です。2018年3月以降は、申請者は技能者不足ビザ(Temporary Skilled Shortage visa)を申請する必要があります。

企業においては、より良い従業員管理のため、これらの改正点について認識しておくことが求められます。

今回の改正の概要は以下の通りです。

変更点
新規・改訂下位法令
  • 下位法令(Legislative instruments)とは、サブクラス457ビザプログラムに係る規則の詳細を解説する法律文書であり、豪州移民局大臣(Minister for Immigration and Border Protection (DIBP))によって随時改訂される。
  • 新規・改訂下位法令
    • IMMI 17/060 – 申請資格が認められる職種及び追加要件(caveats)の詳細(2017年7月1日及びそれ以降に提出されたノミネーション申請並びに2017年7月1日時点で未決定であった申請につき遡及して適用される。)
    • IMMI 17/057 – 試験、スコア及び免除条件を含む英語要件(2017年7月1日及びそれ以降に提出されたノミネーション申請並びに2017年7月1日時点で未決定となっていた申請に遡及して適用される。)
    • IMMI 17/045 – トレーニングベンチマークとその要件(改訂)
資格対象職種
  • 新たな暫定規定は、ノミネーション申請が2017年7月1日又はその前後に提出されたかに関わらず、2017年7月1日及びそれ以降に提出された申請並びに2017年7月1日までに提出されたが未決定となっていた全ての申請に適用される。改定された資格対象職種リストには200以上の職種が含まれ、今回新たに36の職種が追加された。当該下位法令を参照のこと。https://www.legislation.gov.au/Details/F2017L00848
  • 今回削除された職種は、2017年7月1日及びそれ以降に提出された、457ビザ及び186ダイレクトエントリービザ(Direct Entry stream visa)の申請に影響する。
  • 今回削除された職種は、2017年7月1日時点で手続中であった457ビザ及びノミネーション申請に影響する。これらの申請は取り下げなければならず、取り下げがなされない場合には却下となる。
  • 今回削除された職種に関しては、457ビザの追加申請を行う場合、又はビザ保持者の職種若しくは雇用主に変更がない限り、現在の457ビザ保持者には影響を及ぼさない。
  • 中長期戦略的技能リスト(Medium and Long-Term Strategic Skills List (MLTSSL))には(以前は対象外であった)12の職種が追加された。例として、、生化学者(biochemist)、生物工学学者(biotechnologist)、食品技術者(food technologist)、微生物学者(microbiologist)、生命科学者(life scientist)、地球物理学者(geophysicist)及び石油技術者(petroleum engineer)等が最近のロビー活動に伴い追加されている。
  • 特定の技術者、石工(stonemasons)及び土木工学技術者(civil engineering technicians)を含む8のMLTSSLの職種は、457ビザ及び186ビザプログラムにおいて新たに資格対象に含まれた。
  • 短期技能職種リスト(Short Term Skilled Occupations List (STSOL))には(以前は対象外であった)16の職種が追加された。例として、飛行機及びヘリコプターのパイロット、パイロット指導者(flying instructors)、飛行機整備職(aircraft maintenance positions)、研究開発マネージャー、IT/ICT職、芸術ディレクター、音楽ディレクター及び専門家、ドレスメーカー及び裁縫師等が含まれる。
  • 麻酔師(anaesthetist)及び鉱業生産マネージャー(productions manager (mining))の2つの職種は、MLTSSLからSTSOLに変更された。
  • 特定の役員及び管理職、科学者(chemist)、経済学者(economist)、特定の技術専門家、環境関連職種、大学の講師及び教員責任者、並びに特定のIT/ICT職等の23の職種はSTSOLからMLTSSLに変更された。
  • 大学の準講師(university tutor)、配送業職種(shipping type occupations)、貸機材管理者(equipment hire manager)、心理療法士(psychotherapist)、及び土地不動産管理業職種を含む22の職種はリストから完全に削除された(このうちの9つに関しては以前は457ビザ及び186ビザプログラムの申請が可能であった。)
  • MLTSSLの職種は2018年3月以降、永住権取得に結びつく。
  • 追加要件(caveats)の対象となる67の制限職種は以下を参照。
  • 改定された職種リストは、業界、労働市場分析及び政府省庁の助言を広範囲に渡って参照することにより作成された。
  • 職種リストは2018年1月1日に再検討が見込まれている。
ビザ有効期限
  • 職種がMLTSSLに記載されている場合、有効期限はビザ付与日から4年間で、無制限の更新が可能。また永住権取得可能性もある。
  • 職種がMLTSSLに記載されていない場合、有効期限はビザ付与日から2年間で、1回のビザ更新が可能。(永住権取得には至らない。)
  • 現在のビザ有効期限に関する方針では、スポンサーが要求し、かつ自由貿易協定(Free Trade Agreements)や世界貿易機関(World Trade Organisation)等の国際貿易関連の義務を果たす必要がある場合、STSOLに含まれる職種に対し、457ビザを4年間まで付与することができるとしている。

職種に係る追加要件(caveats

(カテゴリー:職歴、地域及び職種)
  • 追加要件(caveats)の目的は詐欺及び完全性にまつわる懸念を最小限にすることである。
  • 追加要件にはANZSCO定義を超えて許可された職種範囲の追加事項を記載する。
  • 追加要件は(ビザ申請の経験ではなく)職務地位に対する要件に関連する。
  • 全部で69の追加要件があり、そのうちいくつかは改定されている。リンクを参照のこと。https://www.border.gov.au/Trav/Work/Work/Skills-assessment-and-assessing-authorities/skilled-occupations-lists/caveats-on-occupations
  • 追加要件は、2017年7月1日以降に提出された457ビザ申請及びノミネーション申請、並びに2017年7月1日以前に提出されていたが未決定となっていた申請に適用される。
  • 現在ある職種が当該追加要件の対象となっている場合、DIBPは、該当するノミネートポジション固有の状況において適用されるか否か
  • を判断する。
  • DIBPは、2017年7月1日より前に提出され、追加要件を満たしていない未決定の申請を取り下げるよう勧告しており、取り下げがなされない場合には申請は却下されると忠告している。
  • 現在の457ビザ保持者は、追加的な457ビザ申請が提出された場合、又は自らの職種若しくは雇用主に変更があった場合を除き、追加要件の影響は受けない。
  • 該当する職種が職務経験に係る追加要件の対象となる場合、同様又は類似の職種で2年間フルタイムでの職務経験が必要。
  • 追加要件は、2017年7月1日以降に提出された186 雇用主ノミネーション永住ビザ申請にも適用される。
  • 追加要件は適宜修正の対象となる。
英語能力
  • 英語能力は(免除されない限り)承認された英語試験によって判断される。 国際英語能力試験制度(International English Language Testing System (IELTS Test))において、各科目でのスコアが最低4.5、総合スコアで5.0が必要。また、他の承認された英語試験も受験可能である。
  • 英語能力試験の結果はビザ申請日から3年間有効である。
  • 英語能力に係る給与免除基準(English Language Salary Exemption Threshold (ELSET))(96,400豪ドル)は、2017年7月1日以降に提出された申請には適用できないが、他の免除項目は残存する。
  • 以下の例外が適用されない限り、2017年7月1日以降の申請には英語能力試験の結果の提出を要する。
    • ビザ申請者が海外企業の被雇用者又は海外の本社・関連会社から豪州の関連会社・本社への企業内転勤者かのいずれかで、かつ年収96,400豪ドルを超える場合、
    • 英国、米国、カナダ、ニュージーランド又はアイルランドのパスポート保持者である場合、
    • ビザ申請者が最低5年間フルタイムで英語で指導される中等又は高等教育を受けている場合、
    • ノミネートされた職務が他国の外交又は領事に関する任務を執り行うものである場合、又は豪州にある台湾当局の駐在所で執行される場合、
    • 申請者が、英語能力の証明を要する免許、登録、資格要件を満たしている場合。
指定給与(nominated salary)
  • データ収集及び豪州税務局とのマッチングを行い、指定給与の支払いを確保する。
  • スポンサーシップ義務を果たせず、措置を受けたスポンサーに関する報告を行う。
  • ノミネーションフォーム(様式)は、従業員数及び労働力内訳、労働市場テスト、国際的義務要件、並びに被指定者(nominee)と当該事業のオーナー、役員及び主要関係者との関係性に関し、追加の詳細情報の提供を求める形に変更された。
国際義務
  • 7月1日付の変更は、豪州国際義務(Australia’s international obligations)に従って実施される。
  • 国際貿易協定に関連して特定の義務が課されるとされる職業は、職業リストの改定に影響されない。
  • ポリシーにより、スポンサーから要求があった場合で豪州貿易協定を満たしている場合、ビザの有効期間は4年間を上限となる。
警察証明・性格チェック
  • Mandatory police clearance certificates (also known as penal clearance certificates) for all visa applications lodged on or after July 1, 2017 2017年7月1日又はそれ以降に提出された全てのビザ申請書については、警察証明書(又は無犯罪証明書と呼ばれる)が必須である。 
  • 16歳の誕生日以降、過去10年間で12か月以上居住した各国の警察証明書の提出が求められる。
  • 全ての犯罪経歴を申告しなければならず、申告漏れ等があった場合には申請に悪影響が及ぼされる。
  • 性格に係る法定申告(Character Statutory Declarations)又はフォーム80 – 特定の状況において、性格を審査する目的で個人に関する記載が要求される場合がある。
  • 審査にかかる時間は、警察証明の提出が要求される国によって異なる。特定の状況においては、優先的審査の申し出を行うこともできる。
技能査定
  • 2017年7月1日以降に提出された申請に際しては、豪州教育研修省の豪州取引認定機関(Trades Recognition Australia (TRA))による 457技能査定プログラム(457 skills assessment programme)の範囲が拡大され、特定の取引に関して対象国籍が追加された。
  • also apply to Program or Project Administrator and Specialist Managers 必須技能査定(Mandatory skills assessment)は、プログラム又はプロジェクト・アドミニストレーター及びスペシャリスト・マネージャーにも適用される。
  • 手続き中又は新たな申請につき技能査定をを実施するか否かはDIBPの裁量による。
 スポンサーシップ要件

認定スポンサー

  • スポンサー認定の審査事項(認定されることにより優先的手続を受けることが可能)に新たに次の4つのスポンサーカテゴリー(1. 政府機関、2. 豪州認定トレーダー(Australian trusted traders)、3. オーストラリア人被雇用者の比率が多く、かつ、活用率が低いスポンサー(low volume usage and high percentage of Australia workers)、4. オーストラリア人被雇用者の比率が約半分、かつ、活用率が高いスポンサー(high volume usage and medium percentage of Australian workers)が追加され、そのそれぞれのカテゴリーにつき、必要事項及び追加証拠書類要件も追加された。

オーストラリア人被雇用者に対するトレーニングベンチマーク

  • トレーニングベンチマーク(評価水準)に係る方針及び要件をより明確にし、また給与計算に含まれる支出の種類を修正することにより信頼性に関わる懸念を解消する目的において、トレーニングベンチマークが改定された。
  • 改正下位法令IMMI 17/045は、2017年7月1日及びそれ以降に提出されたノミネーション申請及び通常の事業許可申請にのみ適用される。
  • 12か月以上取引を行っているスポンサー企業は以下の2つのベンチマークのいずれかを満たさなければならない。
    • ベンチマークA - 当該企業の最近の支出において、給料の2パーセント相当額が、同業種又は関連業種の分野において運営されるトレーニング基金(産業トレーニング基金、一般に認められている産業団体により運営される基金、又は一般に認められている奨学基金)に対する支払として割り当てられている。
    • 前述の下位法令においては、適用のあるトレーニング基金が明示されており、移民申請が受理されなかった場合に手数料又は返金に対応している基金は本ベンチマーク要件を満たさない旨明記されしている。
      又は
    • ベンチマークB - 当該企業の最近の支出において、給与の1パーセント相当額が、オーストラリア人被雇用者に対する当該企業の事業目的に関連したトレーニングの提供に割り当てられている。
  • 「最近の支出」とは前会計年度中又は過去12か月間に発生した支出を意味する。
  • 「給与」とは前述の下位法令において、「特定の支払」を含み、また「特定の支払」が存在しない場合には、取締役の給料、諸手当及び引出済支払額の合計金額又は当該事業の実際の収益を考慮する旨明記されている。
  • スポンサーシップフォームは、取引内容及びトレーニング等に関し追加で詳細情報を提供する形に変更されている。
 所要期間
  • 制度改正の実施により、現在の通常の所用期間は4ヶ月から7ヶ月となっている。事業に影響を及ぼし得る事情がある場合には、優先手続の申し出が可能。
  • 2017年8月には所要期間の改善が見込まれている。

上記以降の手続及びその他移民関連の事項については、特別顧問及び認定移民法専門家(Special Counsel and Accredited Immigration Law Specialist)ミーラ・ヤニコス(Mira Yannicos)までお問い合わせください。(MARN 0532134)

免責

本書は、法的助言として提供、解釈又は依拠されることを意図したものではありません。本書の内容に係る諸問題に関しては、専門家による法的助言をお求めください。個々の状況に応じて適切な法的助言を求める必要がある旨ご承知おき下さい。

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