This article was initially published in English and has been translated into Japanese. Due to nuances in translating into a foreign language, slight differences may exist. The original document in English is available here.

Godo Kaisha IP Bridge 1 v. TCL Commc’n Tech. Holdings Ltd.事件において、陪審員は、IP Bridge社が行使する特許はLTE規格に不可欠なものであり、また、裁判の対象となったTCL社のLTE準拠デバイスは当該特許を侵害していると判断し、これまでの侵害に対して950,000ドルの合理的なロイヤルティをIP Bridge社に支払うよう命じた(967 F.3d 1380, 1382 (Fed. Cir. 2020))。陪審裁判の後、原告および被告の両者は、裁判所に複数の救済を求め、その中で、IP Bridge社は、裁判の対象となったTCL社のデバイスと裁判の対象とならなかったいくつかのLTE準拠デバイスに関して、将来の侵害に対する継続的なロイヤルティの支払いを求めた。また、IP Bridge社は、裁判の対象となった特許の「有効性とその侵害が認められた」段階で原告および被告間の関係は変化したのであるから、継続的ロイヤルティは増額されるべきであると主張した。

これに対し、地方裁判所は、「陪審員の評決には、FRAND(Fair, Reasonable And Non-Discriminatory - 公正、合理的かつ非差別的)ロイヤルティ料率の適切な決定が反映されており、裁判所として陪審員の決定に補足することはない。」と述べ同意しなかった。しかし、裁判所は、継続的ロイヤルティが裁判の対象となったデバイスと裁判の対象とならなかったデバイスの双方に適用されることには同意した。裁判所は、「陪審員は、行使されたクレームは規格に必須な特許のクレームであると判断し」、「裁判で提示された証拠は、主張された特許を侵害せずにLTE対応電話がLTEネットワーク上で作動することはないと示している」のであるから「裁判の対象となった製品と、LTEネットワークを介して使用および通信できる(裁判の対象とならなかった)製品との間に違いはない」と判断し、裁判の対象となった製品と裁判の対象とならなかった特定の製品の双方に関して、各特許侵害製品の特許ごとに$0.04のFRANDロイヤルティ料率で継続的ロイヤルティを支払うよう命じた。

TCL社は、地方裁判所の判決を連邦巡回控訴裁判所に控訴したが、連邦巡回控訴裁判所は「裁判所の判断およびかかる判断を根拠とした判決のすべてを維持」した。地方裁判所が陪審員によるFRAND決定を最終的なものとして受け入れ、連邦巡回控訴裁判所がその決定を維持したことは、FRANDロイヤルティの決定における陪審員の役割を強調するものであり、そのようなロイヤルティは、裁判の対象とはならなかったものの規格に準拠しているデバイスに対しても影響を与える可能性がある。

また、ある規格に必須な特許の保有者が、陪審員によって認められた過去の侵害について(法的救済である)金銭的救済を受ける権利を放棄しなかったことに基づいて、非陪審審理による過去および将来のFRANDロイヤルティ料率の決定を無効とした先の連邦巡回控訴裁判所の判決(TCL Commc’n Tech. Holdings Ltd. v. Telefonaktiebolaget LM Ericsson, 943 F.3d 1360, 1375 (Fed. Cir. 2019)を参照)と、Godo Kaisha事件において裁判所が陪審員によるFRAND決定に重点を置いたことには、一貫性があると言えるだろう。



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